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AQUARIUM

記事投稿日 2024/01/25

1年間検証!ブルカミアDは脱窒菌の活性化で水換不要水槽を実現可能

結論:ブルカミアは水換え不要です(NO3を分解する)

この記事は約9分で読めます

ブルカミアDに関する過去記事執筆後からも、継続して検証していた水換不要水槽。

約1年間かけた成功と失敗を重ねて得た結果や、成功のポイントを紹介します。

→ こちらの記事も合わせてどうぞ

本当に水換え不要?ブルカミアDの性能を試薬で6ヶ月間徹底検証

水換不要にする5つのポイント

ブルカミアDを底砂として利用し、商品の謳い文句「長期間水換不要」を実現するためには重要な条件がありました。

水換不要を実現するには以下のポイントが重要、一つでも欠けると実現できません。

1:ソイルの厚さ6cm以上

ブルカミアを敷く際の注意点として、水平に厚さ6cm以上で敷く事です。

よく底砂に傾斜をつけるレイアウトを見ますが、ブルカミアを使用する時は注意してください。

2:嫌気環境の確立

嫌気環境を作ることで、脱窒菌(NO3を分解する菌)の繁殖を促す事ができます。

よって底面フィルターを水槽底面に敷き詰め過ぎず、底面フィルターの底面積の7割ほどに留めて2~3割ほど空ける事が重要です。

3:脱窒菌の定着

ブルカミアには400種類以上のバクテリアが発生します、その中に脱窒菌が含まれており定着させることが重要です。

効果が期待できる定着まで立ち上げ後4ヶ月ほど必要になります。

4:pH6.8の弱酸性を維持

最も重要である脱窒菌が活動させるには、pH6.8の弱酸性を維持する必要があります。

pHの調整が少しハードルが高いのですが必須になります。

5:溶存酸素量を確保

さらに脱窒菌をはじめ、多数のバクテリアを活性化するためには飼育水に十分な酸素が必要です。

エアレーションや水草の光合成の状況を確認しましょう。

水換え不要の定義はNO3の分解

一般的にNO3(硝酸)は水槽の立上げ成功し、濾過されバクテリアが分解した成れの果てです。

比較的無害なNO3ですが、蓄積されると生体に害があるので水換えが必要になります。

水換不要と謳っているのは、そんなNO3が脱窒菌に分解されるからです。

1年かけて検証した2つの成功実例

1年間で使用したADAの試薬は数え切れません。

この1年間の実体験から導き出したポイントを全てクリアすれば、ブルカミアで水換不要水槽の立ち上げは可能です。

前述したように成功の定義はNO3の分解と定義し、その上で成功実例として紹介します。

※計測はADAのパックチェッカーNO3を使用。

実例1:ADAキューブガーデン

ADAのW300×D300×H300のキューブ水槽。

徹底的に検証用の水槽なのでノイズになる水草無し、そして「水槽仕様・給餌の種類や量・生体数」これら全て株式会社広瀬の担当者から実際に提案頂いた構成です。

水槽仕様ADAキューブガーデン(W300×D300×H300)
専用底面フィルター(S):4個
Hygger エアーポンプ
GEXバイオエアー丸型25
生体構成コリドラスステルバイ:1匹
石巻貝:2匹
ミナミヌマエビ:5匹
餌の種類1日1回:ボトムフード1粒
水草無し
詳細3日間でpHを6.8に調整、水換え無し。
立ち上げ時にバクターを使用。

結論から申しますと、2週間目でNO3の減少を確認できました。

立ち上げ1週間後

30cmのキューブ水槽にコリドラス1匹なので、1週間のNO3はこんなもの。

立ち上げ2週間後

明らかなNO3の減少を確認、声を上げて喜んだのを今でも覚えています。

成功のポイント

ポイントはペーハーの調整と溶存酸素量、この2つの影響力の高さを思い知る。

そしてこれ以上のNO3分解は難しく、立ち上げ2週間後に計測されたNO3の値よりも低い状態になる事はなかった。

コリドラスとブルカミの相性

結論から申しますと、体長5cm以下のショートノーズならギリギリ大丈夫です。

その一方で体長が6cmを超えた個体やロングノーズ(セウシィー)は、日常の移動や掘り返しがパワフルになり脱窒菌の活動力に影響が出ます。

実例2:GEX AQUA-U

ブルカミアを理解した所で一体型水槽でも検証、そして成功しました。

底面の濾過やポンプの流量が公式の非推奨環境になります。

使用水槽GEX AQUA-U
生体構成クリスタルレインボーテトラ:5匹
石巻貝:2匹
カラーシュリンプ:15匹
餌の種類1日1回:アルテミア
水草ミクロソリウム
詳細4日間でpHを6.8に調整、1ヶ月水換え無しを記録。
立ち上げ当日と2週間目でバクターを使用。

2週間目でNO3の減少を確認できず、追加でバクターを投入し3週間目でNO3の減少を確認。

以降もNO3の値は常に低い数値を維持。

水草のミクロソリウム有りですが、公式非推奨の水槽でのNO3の減少を確認できました。

成功のポイント

やはりpHが推奨値で安定させた事、そしてバクターを追加で投入した事が大きいです。

立ち上げ時にバクターを使用すると難易度がグッと下がります、入れすぎても問題ないものなので2週間待って効果が感じられない場合は追いバクターを推奨します。

高難易度生体で検証

実は今まで2回飼育に失敗した、長期飼育が難しくて有名なクリスタルレインボーテトラで検証。

なんと水換え無しで1ヶ月間元気に生存させる事に成功し、半年経った今は3週間に一回の3分の1水換えでバギバギに色揚げできています。

失敗実例から学ぶ失敗のポイント

成功事例も参考になると思いますが、失敗から学ぶ事も多いの失敗要因を解説いたします。

実際に失敗に終わった半年間の検証記事は下記から

→ こちらの記事も合わせてどうぞ

本当に水換え不要?ブルカミアDの性能を試薬で6ヶ月間徹底検証

NO3を分解する画期的なソイルですが、完全に水換不要かどうかは飼育生体により変わってきます。

飼育生体の特性を十分に理解しておきましょう。

1:水槽内のビタミン・ミネラル不足

ブルカミアはNO3は分解しますが、ビタミンやミネラルを生成しません。

これらは水換え無しでは不足しがちになり、水質に敏感な生体を飼育する場合は水換が必要です。

2:水槽の底で活動する大きめ生体

体長4cm前後のコリドラスぐらいであれば問題ないです。

その一方でコリドラスでも6cmを超え出すと、ソイルの掘り返しもダイナミックになり脱窒菌が活動しづらくなります。

3:脱窒菌の定着と活性化

NO3の分解が実感できるレベルに仕上げるには、複数のポイントを総合的に抑える必要がありました。

特に溶存酸素量や嫌気環境の確保が思った以上にデリケートでコツを掴むのに苦労しました。

4:ソイルは平面で厚さ6cm以上

やりがちなソイルに傾斜をつける行為はNG、嫌気環境が生まれにくくなる。

ソイルの厚さも6cm以上ないと嫌気環境が生まれにくい。

水換不要な水槽は実現可能

ブルカミアは確かに水換えが不要な水槽を立ち上げる事が可能でした。

その一方で、しっかりとNO3が分解されるブルカミア水槽の構築は初心者では難しいでしょう。

最後に、私の細かい質問メールに当時丁寧に回答いただいたヒロセペット谷津店のスタッフ様。

無事に成功しましたありがとうございました。

執筆者
執筆者:MachiMochi

コリドラス歴10年以上のアクアリスト。
飼育したコリラスドラスは20種類以上、シミリスを筆頭にその他数種のコリドラス繁殖を経験。
一体型小型水槽やコリドラスを研究し、その結果をレビュー記事として執筆活動中。

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