コリドラス歴10年以上のアクアリスト。
飼育したコリラスドラスは20種類以上、シミリスを筆頭にその他数種のコリドラス繁殖を経験。
一体型小型水槽やコリドラスを研究し、その結果をレビュー記事として執筆活動中。
2023/03/02
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今回は異例の大型長編企画、半年間追い続けるブルカミア徹底検証の発表!
販売メーカーにも話を聞いた保存版です。
目次
皆様今週は水換えしましたか?
水換えは飼育する上で最も重要な要素の一つですが、その反面サボりがちになる事も少なくないのが現実。
そんな中で巷ではブルカミアを使えば、水換え不要ともっぱらの噂なのです。
そんな多忙な日本人の煩悩に答えたのがブルカミア「水換え不要底砂」のようです。
飼育水を酸性に傾けるブルカミアDと、アルカリ性に傾けるブルカミアGの2種類存在する。
水換え不要、私は眉唾物だろうと思っていました。
そう、ブルカミアを開発した株式会社広瀬の担当者様から「硝酸を分解する」の一言を聞くまでは…。
ここで一般知識として「なぜ私たちは水換えを強いられるのか?」を説明したい。
結論から申しますと、一般的なバクテリアが限界まで有機物を分解した結果が硝酸。
硝酸は比較的無害だが濃度が高いと生体に悪影響なので、新しい水に交換する。
これが「水換えが必ず必要な理由」です。
そこで販売メーカーに直接気になる事を問い合わせました、以下が回答です。
ブルカミアは立ち上げ後4ヶ月ほどで、400種類以上のバクテリアが発生し硝酸も分解します。
よって「水換えは不要」です。
担当者のO様は、言い切ったのです「水換え不要」と。
以下、担当者のO様はから回答です。
ブルカミアの掃除を行う場合は表層のごみを網で取り除くか、表面のみ優しくホースで吸い出すのみとなります。
ブルカミアは粒が崩れると泥状になってしまい、本来の機能を著しく損なってしまうためです。
フンなど細かいゴミはバクテリアが分解後ブルカミアに吸着されますので、大掛かりな掃除はせず濾過機能が落ちてきたら全交換という方法を推奨しております。
しかし、パフォーマンスを発揮するまでに4ヶ月では立ち上げから数週間は水換え必要では?
そんな私の質問に「バクターDD 12cc」の提案で答えてくれた。
生体を実際に入れるタイミングで投入すると、水槽内で常時次々に発生してくるアンモニアを亜硝酸を経ずに直接硝酸態窒素に酸化分解することができます。
そして、あたかも長期間かけてたくさんのバクテリアを定着させたのと近いパフォーマンスがすぐに得られます。
半信半疑だったブルカミアですが、担当者様の自社製品に自信あり感に押されて検証を実施します。
今回使用する試薬は下記の3種でブルカミアDを検証、期間は6ヶ月間で一週間ごとに試薬で計測します。
BICOM:スターターテストキット(アンモニア・亜硝酸・硝酸)
私が一番お気に入りの一体型水槽、GEX AQUA-U WIDEでの検証。
株式会社広瀬の担当者様的には、ブルカミアなら余裕を持って飼育可能だそうです。
使用水槽 | GEX AQUA-U WIDE |
---|---|
生体構成 | コリドラスハステータス×5匹 中型コリドラス×11匹 セウシィー×1匹 カバグチカノコ貝×2匹 カラーシュリンプ×6匹 |
餌の種類 | 1日1回:コリビッツ0.4g 週2回:冷凍赤虫10匹程度 |
詳細情報 | お洒落なAQUA-U WIDEで、無理なくコリドラスを飼育するがコンセプト。 立ち上げはバイコムを使用。 1:公式は水平にブルカミアを設定することを推奨 2:水槽の特性上底面フィルターは向かって左側手前のみ 3:立ち上げ時にバクターは使用していない |
そこそこNO3が検出されるが、それ以外の数値は優秀。
水質は酸性よりで、飼育水自体は相変わらず透明度が高い。
少しNO3が濃くなっている、水換えするか難しい状態。
水の透明度は高い。
水の透明度は高いが、生体に影響が出る可能性が高く水換えを実施。
飼育水の3分の1換水しました。
先週の水換えも虚しく危険域のNO3を検出。
他の数値は良いのですが、今週も飼育水の3分の1を換水し計測を続けます。
もはや毎週の3分の1換水がスタンダードに、透明度は抜群ですが飼育水のNO3は危険域。
逆に言うとそれが以外の数値は良いのですが…。
引き続き試薬からはNO3分解の痕跡は見られず、ただその一方で先週よりも少し濃度が薄いようにも見える。
今後に期待しつつ、いつも通り水換え。
だんだんNO3の濃度が気持ち下がっている気もしないでもない。
どっちにしろ危険域なので水換え。
そろそろ立ち上げから2ヶ月が見えてきた。
今回もNO3が危険域なので水換え、NO3以外の値は非常に優秀なのですが2ヶ月後ぐらいには分解するようになっていると信じたい。
週一水換えすればNO3以外の数値は非常に良い、しかしNO3を分解しそうな雰囲気は感じられずに立ち上げから2ヶ月が経とうとしている。
そして水面が少し緑色になり若干の膜のような物と泡が確認できた、これは初めての現象で興味深いですが恐らく苔だと思いますのでライトの照射時間を減らす方向で進めます。
今回も水換えは行いました。
引き続きNO3の数値に変化なし、水換えのを行いました。
まだNO3の分解に至らず、引き続き水換えを行いました。
NO3分解の兆しは見えず、引き続き水換えを行いました。
引き続きNO3分解の兆しは見えず、引き続き水換えを行いました。
今回もNO3は危険域、水替えを行う。
今週も変化無し、いつも通り水換えを行いました。
相変わらずNO3の検出量が多い、水換えを行いました。
今週もNO3の検出量が多い、水換えを行う。
NO3の検出量が多い、水換えを行う。
今週もNO3の検出量が多い、水換えを行う。
引き続きNO3の検出量が多い、水換えを行う。
引き続きNO3の検出量が多い、水換えを行う。
引き続きNO3の検出量が多い、水換えを行う。
こちらの水槽も、かなりNO3の反応が強いので生体数を減らしての検証を検討中。
引き続きNO3の検出量が多い、水換えを行う。
生体数を減らす方向で検討中。
引き続きNO3の検出量が多い、水換えを行う。
この水槽の生体数では検証不可能と判断し、一旦中断します。
個人的には見た目はオシャレ水槽NO1だと思っているアーク250での検証。
6L水槽にこの整体数は非常に過密、難易度を上げている水槽です。
使用水槽 | 寿工芸 アーク250 |
---|---|
生体構成 | コリドラスステルバイ×5 ブリリアントラミーノーズ×7匹 |
餌の種類 | 1日1回:コリビッツ0.4g 週2回:冷凍赤虫10匹程度 |
詳細情報 | 熱帯魚初心者の方が、小型水槽で飼育しそうな生体数を投入した欲張り水槽。 水槽構成を公式が推奨する物で揃え、難易度を上げた構成です。 1:底面フィルターやモーターも公式が推奨する物を使用 2:水槽立ち上げ時に規定量のバクターを添加 |
※ちなみにこのコリドラスステルバイは、我が家で繁殖成功した子達です。
小型で過密水槽だが、NO3の数値はコチラが優秀。
それ以外の数値はこちらも優秀、立ち上げ時のバクター投入や濾過構成を全て推奨通り合わせた水槽はなかなかの立ち上がり。
NO3どころかNO2−が検出される、この数値は生体に影響があるので即時3分の1換水を行いました。
バクテリアのパフォーマンスが上がるのか、引き続き様子を見ます。
濾過促進として、エアーレーションを追加し溶存酸素量を増加。
エアーレーションの導入でNO2−は改善。
しかしNO3は先週の換水も虚しく危険域、今回も飼育水の3分の1を換水し引き続き計測を続けます。
こちらも先週の水換えも虚しく危険域のNO3を検出、3分の1を換水し計測続行。
こちらも先週と同じNO3は危険域、水換えを3分の1行いました。
NO3以外の数値は悪くないのですが…。
こちらの水槽に関しては、もう飼育水が少し臭い。
NO3の濃度も非常に濃く飼育生体が丈夫だから成立している、こちらも先週と同じ内容で水換え。
過密水槽でNO3が多く検出されるのは当然ですが、HNO2の分解は完璧です。
逆に言えば立ち上がっている水槽でも、過密水槽であれば週一の水換えでは足りないという事が分かりますね。
ステルバイとラミーノーズという丈夫な個体だから成立している、当然今回も水換えを行いました。
コチラもNO3が危険域、しかし過密水槽の割にはよく濾過できています。
NO3の値さえ目を瞑れば中々の立ち上がり、と思いながら水換えしました。
6リットル水槽に過密飼育という過酷な環境も相まって、NO3の反応は毎回こちらの水槽が多く検出される。
こちらも水換えを行いました。
こちらもNO3分解の動きは見えません、水換えを行い引き続き計測を続けます。
NO3に動きなし、水換えを行っています。
最近こちらの水槽のNO3値がひどく悪い傾向が出てきた、もちろん水換えを行いました。
NO3値高い割に苔が出ないのはブルカミアの水質調整力が働いているからでしょうか。
NO3の分解以外は非常に良い性能なのですが…。
こちらの水槽に少し動きが見えてきた、若干いつもよりもNO3の反応が低いんです。
水替えは行いましたが、こちらの水槽は注視して観察したい。
本当にちょっとした変化なのですが、先週に引き続きテトラ試験紙でのNO3検出値が低い。
比較できるように2つの水槽のNO3検出結果を並べてみました。
もしかすると牛歩ではありますが、NO3分解サイクルが構築されつつあるのかもしれません。
やはりコチラの水槽の方が3NOの反応が薄い、コチラの水槽は少し期待できるかもしれない。
とはいえ危険域なので水換えは行いました。
やはりこちらの方が検出量が少ない傾向あり、換水し引き続き様子を見ます。
少しではあるが、やはりこちらはNO3の検出量が少ない。
危険域なので水換え。
安定しNO3濃度が少し低い、過密気味なので整体数を減して計測した方が良いかもしれない。
先週まではNO3の検出量が少し低かったが、今週は濃度が濃い結果に。
水換えを行う。
引き続きNO3の検出量が多い、水換えを行う。
引き続きNO3の検出量が多い、水換えを行う。
その一方でこちらの水槽の方がNO3濃度が安定して低い、生体の数を減らしての検証を検討中。
引き続きNO3の検出量が多い、水換えを行う。
引き続きNO3の検出量が多い、水換えを行う。
ただコチラは生体数の関係か、NO3の検出量が少ない。
より検証しやすい環境を検討し、この水槽での検証を終えます。
立ち上げ初日から数日はバキバキに透明な飼育水で、コリドラスゲルイ雌もバキバキ色が上がってます。
しかし重要なのは中長期の飼育水の水質、ここからは1ヶ月ごとの中間報告を共有します。
どちらの水槽も飼育水の透明度は非常に高く、目に見えて効果が体験できる。
しかしNO3の分解に関しては手応えが全く感じられない。
エアーレーションによるバクテリアの活性化には目を見張るものがあり、非常に効果的である事がわかりました。
飼育水の透明度は2ヶ月経っても良好、その一方でNO3分解に関しては引き続き変化を感じられない。
そして、AQUA-U WIDEにのみ発生した水面の苔。
アーク250の水槽には発生しなかった事から、やはりライトの光量と照射時間が原因かと思われます。
NO3の分解は確認できないものの、飼育水の透明度は相変わらず高レベルで維持できています。
その一方でソイルの中間層に「謎の菌」のようなものが見受けられた、この現象がNO3における何らかのサインなのだろうか?
2つの水槽に差が出てくるがNO3分解を確認することはできない。
生体の糞尿や食べ残しの増加が分解速度よりも優っている可能性を強く感じる。
今の水槽ではこれ以上の検証は無意味と判断し一旦断念。
検証用の水槽構成自体を見直し、ブルカミアDのNO3を分解する脱窒菌が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を準備し再検証を計画中。
結論から申しますと、検証失敗でNO3分解を確認する事は出来ませんでした。
その一方で株式会社広瀬さんに問合せ、ブルカミアDでコリドラスを飼育する上で最高のパフォーマンスを発揮できる環境を提案してもらいました。
次回の記事にて、開発メーカーから提案いただいた内容で新たに水槽を立ち上げNO3分解を検証しますので興味のあるマニアックな紳士淑女はご期待ください。
コリドラス歴10年以上のアクアリスト。
飼育したコリラスドラスは20種類以上、シミリスを筆頭にその他数種のコリドラス繁殖を経験。
一体型小型水槽やコリドラスを研究し、その結果をレビュー記事として執筆活動中。
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